第二回

ある日常の風景


今日も寒いなぁ、経費節約のため、暖房の温度は少し低めに設定してある。
こうして何時間も座ってばかりだと肌寒い。

「ねぇ ジ×2 今日のご機嫌はどうですか?」

「こころもち 良いね。例えるなら、お湯を入れて三分間と言う感じ。」

まったくもって、猫の考えることはわからない、そこで意味を尋ねてみると。

ジ×2は
「君は芸術の心を理解してないね、本ばかり読んでると馬鹿になるよ」
とのたまった。

僕は心の中で(口を開けるなシラミ猫、殺虫剤をぶっかけるぞ)と思ったけど、
もう僕も今年で28なので我慢した。

「ははは、なんか動物保護法で捕まってしまいそうだよ。」とだけ言っておいた。

すると猫は
「君のペットじゃなくて本当に良かったよ ははは」と笑った。

今度、裏庭に猫が入るくらいの穴を掘ろうと思った。

そして今日も平和な一日が過ぎていった。



第3話

「量子力学 良識学」


「ねぇ暇そうだね」と暇そうに黒猫は言った。

僕は本から目を上げ
「暇といえば暇かもしれない、本を読むのが忙しいといえば忙しいのかもしれない」
と言った。

今日は風が強いので来館者はゼロ、仕事が無いという点においては暇なのだろう。

猫はグッと伸びをすると
「さっきから熱心に読んでるけど、それは何の本?」
と不思議そうに尋ねた。

僕はちょっと考えた後
「これはね 量子力学の本だよ。物質が原子の塊だっていうのは知ってるよね?
その原子がどんな構造をしていのるかを詳しく書いてあるんだよ。」
とやさしく教えてあげた。

すると猫は、しきりに頷いて、

「とすると 君はさしずめ ウジの集合体ってところかな?」

と言った。

僕は今日一番の笑顔を浮かべると、

「この本にも載ってるのだけどシュレディンガーの猫って知ってるかな?
 猫を一定の確率で毒ガスの出る箱に閉じ込めると、生きているか死んでいるかは開けてみないとわからないって言う話。」

ちょっと間をおいて

「僕はこの実験に大変興味を持ってるんだ、近いうちにやろうと思うけど、どうかな?」
とジ×2に打ち明けた。

馬鹿猫は
「シュレディンガーも君も脳が可笑しいね、
猫を代表して高いところから飛び降りることをお勧めするよ。
もし助かったら良くなってるかもよ。」
と言った。

僕は
{業務用ミシンを買ってきて、その臭い口を縫い付けるぞ。}

 と思ったけど、いい加減僕も社会人なので我慢しておいた。





明日買うもの




?機密性の高い箱
?混ぜると危険な洗剤を二つ



明日が楽しみだと思った。

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